老年期うつ病と認知症の違い


ヘルスケア大学から引用


老年期のうつ病の原因・症状・治療法、また、うつ病と鑑別しにくい認知症との見分け方について紹介します。


■老年期うつ病とは?


気分が沈む、興味や喜びを感じない、食欲が出ない、不眠、体がだるいなどの症状が2週間以上ほとんど毎日続く時は、老年期うつ病を疑いましょう。

老年期うつ病の原因、症状、治療法について紹介します。

原因老年期うつ病は老化による身体疾患や、退職や子どもの独立などによるアイデンティティーの喪失といった環境の変化が原因で起こるケースが多いと考えられています。

高齢者がうつ病を発症するきっかけとしては、以下のようなものがあげられます。


・高血圧、心筋梗塞、糖尿病などの病気

・仕事からの引退

・子どもの独立によるひとり暮らし

・配偶者や親しい人との死別

・財産の消失


老年期は、環境の変化が一度に起こる時期でもあり、ストレスを溜め込みやすい時期です。そのため、家族も本人も「塞ぎこんでしまうのも当然」と思い、うつ病と気付かないこともあります。

症状老化による身体の不調に加え、精神的な症状が混在して複雑な症状を示します。主な症状には以下のようなものがあります。


・もの忘れ(これが最も多い)

・めまい、ふらつき

・頭が重い、肩こり、腰痛、便秘

・不眠、倦怠感、食欲不振、脱力感

・被害妄想にとらわれる

・不安感で家の中を歩き回ることがある


治療法十分な食事、休養、睡眠に加えて、抗うつ薬を処方する「薬物療法」が中心となります。再発に注意する必要があるので、症状が改善したとしても一定期間は薬を飲み続け、そこから少しずつ減らしていくようにします。



■老年期うつ病と認知症の見分け方

老年期うつ病と誤認されやすい症状のひとつに「認知症」があります。老年期うつ病の抑うつ症状による口数の減少や、周囲への無関心などが、認知症の症状と見分けがつかないために起こります。見分け方としては、うつ病の場合は、症状が突然現れるのに対して、認知症では、その症状が徐々にあらわれます。また、自責の念が強く、物事を過大にとらえるのもうつ病の特徴です。日ごろの様子と比べてみて、異常のある時は医師の診察を受けるようにしてください。