そううつ病発症に関連する遺伝子発見

 

 日本人の双極性障害(そううつ病)に関連する遺伝子を発見したと、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)などが発表した。

 コレステロールや青魚などに含まれる不飽和脂肪酸などの代謝にも影響を与える遺伝子で、脂質代謝異常との関連性を初めて確認したという。因果関係の解明などが進めば、食生活の改善などによる予防や治療効果も期待できるとしている。

 研究成果は24日、国際学術誌「モレキュラー・サイカイアトリー」電子版に掲載された。

 同大によると、そううつ病は100人に1~2人の割合で発症するが、詳しい原因はわかっていない。共同研究には全国32の大学や施設などが参加。患者2964人と、それ以外の6万1887人のゲノム(全遺伝情報)を比較、病気のかかりやすさに影響する遺伝子の塩基配列の違いを約90万か所にわたって分析した。

 その結果、患者の血中の脂質濃度に関わる遺伝子の場所に、わずかに高い確率で決まった塩基が現れることを確認。この塩基配列の場合、発症リスクは1・18倍に高まるとしている。

 海外では、そううつ病のリスクとなる遺伝子は昨年末時点で20個弱、特定されているという。同大学の岩田仲生医学部長(精神医学)は「臨床研究などを続けて発症の仕組みの解明につなげたい」と話している。

 

 

 

読売新聞(ヨミドクター) 1/25(水) から転載