森田療法

森田療法とは、慈恵医大精神神経科・初代教授の森田正馬(もりたまさたけ)が自らの神経症体験を通して創始した、入院を基本とする神経症の精神療法です。
 日本で生まれ、独自に発展したこの治療法の特徴は、神経症の不安や恐怖を排除するのではなく「受け入れること」で「とらわれ」から脱出するという点、また、自分の中にある健康な力や自然治癒力を最大限に生かしていくという点にあります。
 恐怖や不安はより良くより良く生きようとする欲望(生の欲望)と表裏一体のものであり、人間誰もが持っている自然な感情です。しかし神経症に陥る方は、 不安や恐怖を「あってはいけないもの」として「排除しよう」とするあまり、かえってそれにとらわれるという悪循環に陥ってしまうのです。
 森田療法では、不安を「あるがまま」に受け入れながら、よりよくより良く生きようとする欲望を建設的な行動という形で発揮し、自分らしい生き方を実現す ることを目指しています。入院治療の中でのさまざまな体験によって、不安や悩みを受け入れながら、症状への「とらわれ」から離れることができ、本来の健康 な欲求が生かされてくるのです。


出典:東京慈恵会医科大学 森田療法センター