非定型うつ病の原因


従来型のうつ病とは異なる「非定型うつ病」。他にも「逃避型うつ病」「未熟型うつ病」などがあり、これらを総合して「新型うつ病」とも呼ばれています。ともすれば自分勝手と判断されて、病気とは認識されにくい症状もあるこれらの病気は、なぜ起こるのでしょうか?その原因と治療法、周囲に患者がいた場合の対処法について解説します。



■若者に多く見られる従来型と異なるうつ病の原因とは

非定型うつ病を代表に、従来型と異なる特徴が見られる「新型うつ病」。これらもまた、従来型うつ病と同じくストレスの蓄積が原因で起こります。しかし、ストレスの原因となる要素には、現代社会ならではの価値観やライフスタイルの変化などが関係していると考えられています。現代は、個人の自由が尊重されるようになった一方で、協調することが軽視されるようになったと言えます。また、テクノロジーが進歩して、さまざまなコミュニケーションツールが発達し、個人が万能感を持つようになりましたが、その反面、人間関係のトラブルは増えています。従来型うつ病が、会社、組織、規範への忠誠による自己の喪失から起こるストレスと考えた時、新型うつ病は、自分に対して抱いていた万能感が、現実の厳しさの前で挫折した時に起こる「自己愛の喪失」が原因とも考えられています。



■どのような治療が必要?

新型うつ病の治療には、認知の歪みを正す「認知行動療法」や人間関係を円滑にしていく「アサーショントレーニング」「人間関係療法」などが行われます。従来型のうつ病とは特徴が異なるものですが、気持ちが沈んで苦しかったり、不安感や焦燥感に苛まれるといった症状は従来のうつ病と変わらず、抗うつ薬などを処方する「薬物療法」も重要となります。新型うつ病の場合、治療法が確立されていないため、さまざまな治療法を併用しながら長期的に行う必要があります。



■家族や周囲はどうつき合う?

新型うつ病の患者は、周囲の忠告を批判的に受け取り「相手が悪いのだ」と攻撃的な反応を見せる特徴があります。そのため、大切なのは、本人の話に耳を傾けながら、少しずつ社会復帰できるよう手助けをしていくことです。説教をする、マイナス面を指摘するという方法は、病状を悪化させ、攻撃的な性質を助長させてしまうので注意してください。また、ストレスの蓄積が病状の原因である以上、そのストレスを溜め込ませない工夫も必要です。家族であれば、規則正しい生活で生体リズムを整えるようサポートしましょう。会社であれば、職場環境を変える、仕事内容を見直すなど、ストレスを遠ざける仕組みづくりが大切になります。



ヘルスケア大学から引用 2015年11月10日